2009年04月23日
川俣晶の縁側歴史と文化下高井戸周辺史雑記 total 5619 count

駒場東大前駅付近から見える「川跡」は目黒川支流の「空川」(そらがわ)

Written By: 川俣 晶連絡先

 以下は個人的な大発見であって、知っている人には常識レベルのつまらない話です。念のため。

 更に言えば、過去にどこかで読んでいたにも関わらず、頭の中に情報が残留せずに流れていた可能性もかなりあり得ます。

発端 §

 昨日、井の頭線に乗っているとき、駒場東大前駅のやや吉祥寺よりの車窓として、あからさまに川跡っぽい場所を目撃しました。過去に何回も見ていますが、目が肥えてきたので突然「川跡」として見えるようになったのです。

調査空振り §

 そこで、後から古地図や航空写真を見ましたがこの場所は田であって川ではなかったようです。もちろん、標高データ的に田になる前は川であった可能性が高いと思いました。しかし、ごく軽い調査に過ぎないので、この時点で川に関する情報は何も出てきませんでした。

劇的な逆転 §

 さて、ここの近くには「駒場野公園」という公園があることが地図から読み取れます。かなり大きな池を擁する公園です。しかし、全く知らない公園です。少し興味をもって検索してみました。

 すると……。

駒場野公園より

ケルネル田圃

教育大農学部の前身 駒場農学校に赴任したドイツ人教師オスカー・ケルネルはわが国で初めて化学肥料の使用を試み、実習田(今は暗渠になっている空川の最上流部の谷あいにある)で土壌や肥料の改良に取り組み、日本初の実験水田ということで「ケルネル田圃」と名づけ維持保存されています

 いきなり、もともと川であったこと、名前は空川であること、現在は暗渠であること、田は実習田であったことが全て分かってしまいました。

 周辺の関係ないことにも興味を持つことは大切ですね。

地図で見てみる §

 目黒の川 1 目黒川 目黒区の地図を元にいい加減に空川のラインを作成


より大きな地図で 空川 を表示

2009/04/28追記。東京都下水道台帳を元に細かいラインを引き直してみました。しかし、依然として正しいラインであるかは分かりません。

井の頭線と川 §

 井の頭線は、高井戸から吉祥寺川側の多くの箇所では神田川に沿っています。しかし、駒場東大前駅付近では空川に沿っていたわけですね。目黒川はあまり接点がなかったので、そのあたりには目が行き届いていませんでした。たぶん、神田川の支流ないし玉川上水の分水なら、ずっと以前に気付いていたと思います。

感想 §

 見慣れたはずの光景にもまだまだ(個人的に)意外な発見が。

下高井戸周辺史雑記